絶滅危惧のジュゴン

 沖縄本島周辺で確認されていた絶滅危惧種ジュゴンの1頭、通称「個体B」が死んだ。古宇利島周辺を主な生息域としていた個体Bは、辺戸岬から安田沖まで広範囲に移動していた記録があり、環境団体は名護市辺野古の新基地建設が影響した可能性を指摘する。残りの2頭も消息が途絶えており、沖縄のジュゴンは危機的な状況にある。
 07年から沖縄防衛局が実施した環境影響評価で、発見されたジュゴンはわずか3頭。残りは、個体Bの子とみられ大浦湾を行動範囲としていた個体Cと、嘉陽沖周辺の個体Aだ。個体Cは15年6月以降、個体Aも18年9月以降、行方が分からなくなっている。
 日本自然保護協会は19日の声明で、個体AとCが姿を見せなくなったのは新基地建設との関連性が高いと指摘。個体Bも、移動の際に土砂運搬船の影響を受けていた可能性があるとみている。
 新基地建設を巡っては、03年9月に日米の環境保護団体などがジュゴン保護のために工事中止を求めて米国防総省を提訴。現在は連邦高裁で控訴審が進行中だ。今回の事態が訴訟の行方に影響するのか、現段階では見通せないとの事。
貴重な生き物や、環境が残っている山原、辺野古の海。地域住民はどう思っているのか。
これからの国や県の保護に動きを期待する。